そして私は
泣きつかれて眠った


次の日の朝
私は母に一番に

「ねぇ!お父さんは?なんで行っちゃったの?」

と言った。
でも母はその質問には答えずに
ただ泣きながら

「ごめんね…。ごめんね…っ。」

と私を抱きながら言うだけだった。


私は母が泣いていることや
謝り続けている事から
幼心にも聞いてはいけないことだと分かった

「ごめんね。大丈夫だよお母さん。泣かないで?」





きっと私は
この時から母の為に嘘をつくことを
覚えていったのだろう…