「うん実は……、生方が、ここのブライダルショップに仕掛けるから、先輩として顔合わせに付き合ったんだ」





 心配してくれる明には

 きちんと話そうと頭を巡らせる。





「その日、たまたまアイツの知り合いが撮る予定になっていた動画撮影が火傷で撮れなくなって、知り合いもショップ側も困っていたから、生方がさくらでもよければ自分達がやりましょうか? って……」





 2人は、なんとも言えない顔で

 ため息をついた。






「逃げられないヤツ、だな……」



「でしょ? あたしも帰りの新幹線で可児とハルトに問い詰められて、動画見たんだ、撮影の順番も構成もバラバラだったのにあんなドラマチックになってて驚いたよ」



「……生方は?」



「取り敢えず、その日の帰りこんこんと説教したけど?」





 明は大きくため息をついて

 階段に座り込んだ。





「そっちの心配じゃなく、噂の方」



「どうだろう? あたしも新幹線で知ったばっかりだし、連絡は来てないから、知らないかもね」