隣で、動画を覗き込んでいた

 由似が

 ニヤニヤ顔で言う。




 知ってるくせに

 タチが悪い……。





「ここに仕掛けに行ったのよ、生方が、それで彼の知り合いが火傷してドレス着れなくなったから、その日の撮影が出来なくなっちゃって、その人達の穴埋めフォローの動画よ」



「何だぁ、つまんないですよ、とうとうアノ伊織さんが生方にオチル、を見てみたかったのにぃ」





 あ~、ウルサイ

 アノって何なんだ?





「……ン~、理由聴けて納得はしたけど、複雑な気分になるなコレ」




「うん何か、伊織が遠くに行っちゃったみたいな感じ……」





 可児とハルトが、寂しそうにつぶやいた。



 なんで?





「コレはフィクションで、あたしはちゃんとここにいるでしょ?」



「うん、そうなんだけど」



「何か、娘を嫁に出したようなフクザツな気分……」



「お父さんか! そう言うのは本当に結婚する明達に言いなさいよ」