新幹線に乗って3時間を過ぎた頃

 視界いっぱいに

 穏やかな波の海が見えてきた。



 キラキラと夏の太陽に照らされて

 とてもキレイ。



 海じゃないみたい

 瀬戸内海って

 こんなに波が穏やかなんだ?



 隣には、景色などおかまいナシで

 ぐっすりと眠る印南先輩。





「……」





 何でアタシ

 ここにいるんだろう?









 コトの起こりは

 1週間前の日曜日…――





「はぁ!? 何でそんな事になってんの?」





 リヴィングから

 先輩の大きな声が聞こえてきた。



 電話だろうか?



 アタシは、お風呂も済み

 キッチンで

 明日の朝食の準備をしていた。





「だから~、今年は帰らねぇって……」





 結構声大きくて聞こえてしまうな……。



 早く用意終わらせて

 自分の部屋に戻ろう

 と、急いでお米をとぎ

 お水の調整をしていると……





「はぁぁ~っ!? じゃあこっち来る!? 何言ってんだよ」