ボソッ、と

 郡司先輩の声で聞こえた。





「……」





 そう言えば

 あのマンション先輩の人から

 買ったって言ってたっけ?





「ウソ、印南あんた家持ち!?」



「郡司てめぇ、余計なことを」





 美知先輩は

 ノリノリで印南先輩の顔を見た。





「教えなさいよ、いつの間に優良物件になってんのよ?」



「はぁ? 意味わかんねぇよ、迫田に売りつけられたんだよ」



「迫田くんって、独立した? じゃあ中古じゃん」



「そ~、餞別に買わされたから半額にしてやった」





 優良物件?





「あはは…、そりゃスゴイね♪ 親は田舎で、その若さで家付きローン少なめ親と別居、女子的にはサイコーじゃん♪ ねぇ、亜美ちゃん」





 いっ!?



 こ、こっちに振られても

 なんて答えてよいやら……。





「あっ、えっと、……そ、そう、ですね?」