鈍感なアタシでも

 ベタ惚れしてるのが

 わかってしまうくらいだ。





「チッ、リア充めが、あたしも彼が出来れば実家に帰らずに旅行とかするのになぁ」



「彼女と初の夏休みなんだから、許してくださいよ?」



「……!?」





 郡司先輩、可愛すぎて

 美知先輩の毒気もぬける。





「あはは……♪ そうだったよね~、許してやるかぁ……、で、印南くんはどうすんの?」



「オレ? ……特になし、適当にダラダラ過ごすかな?」





 あっ……

 実家とか帰らないんだ?





「なんか想像出来ちゃうのが哀しいわね」





 少しだけホッとした。



 印南先輩なら

 お盆で帰っている間も

 好きに使えって

 言ってくれるだろうけど。





「ほっとけ! 帰ったら色々親がうるさいんだよウチは」



「何で? まだ26歳だよね?」



「……勝手にマンション買ったから、らしい」





 あっ……