そう突き放しながらも
印南先輩は
フェイスタオルをバサッと
頭にかけてくれた。
「……」
「住んでる所がないわけじゃないんだろ?」
アタシは
コクンと、先輩の質問に頷いた。
「……」
どこから話せばいいんだろう?
まだ頭の中が真っ白で
上手く回らない。
先輩のかけてくれたタオルで
涙を拭いて
2、3回大きく深呼吸する。
「……」
やっぱり
最初から聞いてもらうしか
ないだろうな……。
「……あ、あの」
「ん?」
印南先輩は
会社からアタシの事情
聞いてるみたいだから
大丈夫かな?
「……アタシのいた施設、高校卒業したら1人暮らしをするのが決まりで、アタシも、その予定だったんですけど、在学中にアタシ骨折してしまって、アルバイト出来なくなってしまって……」
「……」