頭の中が真っ白で

 何がなんだかわからなくなった。



 先輩の質問に

 答えなくちゃいけないのに



 胸の奥が熱くなって

 色んな感情が込み上げてきて。





「……っ」





 誰にも

 迷惑かけたくなかったのに

 結局こうなってしまった。





「……千川?」



「……っ」





 苦しくてこらえきれないものが

 どんどんあふれて

 止められない。



 あと少し

 夏のボーナスが出れば

 何もかも上手くいくはずだったのに。





「……」


「……っ」





 こんな風に

 気を使わないで暮らせるように

 なるはずだったのに



 思ってたより

 今の状況に

 自分がまいってしまっていた

 ことに気付く。





「――…めん、なさい、……会社には言わないで、ください」



「はぁ? 意味わかんねぇ、泣いてないでちゃんと話せ」