宇佐美さんの声が大きくて

 同期のみなさんが

 一斉にこっちを見た。





「印南先輩って、企画のコワい顔の人だったよね?」





 ひゃあぁぁ~っ!!



 ヤだ

 みんなに聞こえてた!?





「ナニナニ? ダレソレ?」


「企画のチンピラみたいな先輩いるじゃん?」


「あぁ、変人とか言われてる」


「あの人口悪いよね~」


「印南先輩がどうかしたの?」





 まだ配属決まって3ヶ月なのに

 他部署の同期の何人かが

 印南先輩のコトを知ってるなんて……。



 有名人?

 で、でも

 チンピラ? 変人? コワい顔!?



 そんな風に先輩が言われてるコトに

 驚いた。





「ん~、……亜美ちゃんの、カッコ良くて素敵な男の人?」





 宇佐美さんが

 頭をひねってアタシに確認するように

 言った。



 アタシは

 恐る恐る、宇佐美さんを見て頷いた。





 直後――