「お願い、桜…」


言葉と同時に

抱き締められる。

久々だ、こんな感覚…。


わたしは

コクッと頷いた。

伸は 微笑んで

さっきより強く、抱き締めてくれた。


「アド、交換しよ」

「うん」


赤外線で交換したあと、

手を繋いで

個室に戻った。


「じゃーんっ」


伸が自慢気な顔をする。

みんなが驚いた顔で

わたしたちを見る。


「おめでとう、桜!!」


一番に声に出して

祝ってくれたのは

結菜だった。

ありがとう…。