「…触らないでっ」 「…どうした?」 「…中途半端な気持ちで優しくしないで…」 擦れた声で わたしは訴えた。 先生は 黙って手を離した。 …中途半端すぎるよ。 …先生も、わたしも。 「…教室戻るか」 「…はい」 わたしと先生は 気まずい感じで 教室に戻った。 高校2年生になるまで 約あと少し。 でもその少し、が とても長いような気がした。