「はっ」

頭をブッ飛ばされたはずの私は次の瞬間、ベッドの中で目を覚ましていた。

慌てて跳ね起きて部屋を見渡せば荒れた室内。割れたガラス窓と揺れるカーテンと押し入れの位置。

そう、起きれば判るがこちらが現実でさっきまでのが夢なのだ……

「おいおい、そんな訳ないだろう?」

突然の何者かの声に振り返ると、壁しかないはずのそこになぜか扉があり、その扉を開けてさっき夢に出てきた不審者が立っていた。

バットで肩をトントンと叩くようにしながらサングラスとマスクの下で見えないはずの顔がニヤニヤしているのがわかる。

「ほうら、これは夢だろう。さあ目を覚ましてやろう」

男は楽しげにそう言うと無造作にバットを降り下ろした。

「はっ」

私は目を覚ました。