あたしは早い展開に状況が掴めず
男の顔を見つめ立ち尽くしていた。













「あ、ごめん…いきなり意味わかんないよね?俺、同じ学校の2年で鈴本っていうんだ。
君、1年だよね?」




「そ…そ、そうです。あ…あたし…、や、ややや山城、山城玲衣ですっ!!」




「ははっ(笑)次は落とさないようにね」




そう言うと先輩はあたしの頭を撫でて
手を振りながら走っていった。






それから、家に帰って

夜ごはんに何を作ったのか、

お兄ちゃんに怒られたのか、

お風呂に入ったのか、

いつ寝たのか、




全く何も覚えてない。







きらきらした先輩の笑顔が忘れられなくて






もうこの瞬間から


先輩しか見えてなかったのかもしれない。







恋は始まったんだ。