2年後 雪は病気で亡くなった。
雪の母から手紙を預かった。
僕宛てらしい。
封を開け 可愛い女の子の字に目を走らせる。
『さとちゃんへ
元気? この手紙を読んでるって事は
私はもう 居ないんだね。
私ね 生まれた時から病気持ってたの。
治らないから十数年しか生きられないでしょうって。
小学生の時 偶然聞いちゃったんだ。
悲しい思いをして欲しくなかったから
言わなかった。
黙っててごめんね。
私ね さとちゃんの事小学生の時から好きだったんだよ。
ずっと・・・
だから さとちゃんが告白してくれた時は凄く嬉しかったの。
でも私死んじゃうからさ。
泣いて欲しくなかったんだ。
ごめんね。
さとちゃん好きでいてくれてありがとう。
さとちゃんは私の事を忘れて いい人と結婚してね。
雪』
僕は読み終わると
溢れてくる涙を拭きながら
外に出た。
「雪ーーー!」
力の限り叫んだ。
俺 まだ雪の事・・・
なんで雪が死ぬんだよ。
雪まで溶ける事ないのに。
チラチラと白いものが視界の隅に映る。
あぁ 雪か。
僕は座り込み 空をみあげる。
『さとちゃん!風邪ひいちゃうよ?』
そう言ってくれるのを期待しながら。
そう
あの頃の様に。
また 二人笑いあえたらいいのに。
いつかまた会える。
そう信じて生きよう。