男が指を鳴らすと一瞬にして痛みが消えた。
「交渉って…なに?」
「そんな難しいことじゃないよ。美姫が僕の仲間になればいいんだよ。」
「そんなの……!」
嫌に決まってるじゃない!そう言おうとした。
でも、言えなかった。
それは、彼の言葉のせい……
「考えてみなよ。僕らは君がほしいんだ、そのためには手段なんて選んではいられない。つまり、君のお友達も殺しちゃうかもしれないんだよ。それでもいいの?」
「っっ」
こいつが言いたいことが分かった。
これは、あたしが断れないようにしている。
あたしがあの人たちを大切に思っているのを知ってるから。