「ちょっと待て。せっかく助けてやったのに逃げるなんて卑怯だ」 そんな苦し紛れの言い訳をついて女を引き留めた。 「ってか、名前すら聞いてないし」 「……ユキ」 「え?」 「あたしの名前よ。あたし、ユキって言うの。」 ユキはニコッと笑った。