しかし彼は全く動じず、その手をゆっくりと重ねた。 「そうだよ、それでいいんだ」 「は?」 それでいい… 彼は確かにそう口にした。 「どういう事?」 あたしは、鋭い目つきで彼に尋ねた 「そもそも、何故僕が君の力を必要としているか……」 「……」 彼はあたしから離れ再びあの椅子に座った。 あたしは、顔だけそっちに向ける。 「それはね、君の力さえあれば僕の夢がかなうからさ」