5分前。

優衣の携帯が鳴った。
急いで電話を取り、話し出す。
漏れてくる会話から今いる位置を教えているらしく、前を向いた私の方角には3人の男の人が手を振っていた。

「よかったぁ~

日向さん(ひなた)来てくれて―……」

一人の男の人が私を見ながら嬉しそうに呟いた。


別に来たくて―…
来た訳じゃないのに。