『間違えちゃった』 聞き慣れた言葉。 あぁ、この伊登先輩は本当は真亜姫が良かったんだね…… そしたら 私なんか用済み。 ここに居る価値なんか… 「おい、吾妻」 さっきから黙っていた橘先輩が口を開いた。 「なに?」 伊登先輩はまだブツブツ言いながらも橘先輩の方へと向き直った瞬間…… バキッ バタッ 橘先輩の右手がダイレクトに伊登先輩の左頬に当たって、 伊登先輩は少しだけ飛んで行った―……