雨が降っていた




目の前には、彼が居た




野宮 真二





私が、ずっと好いているただ一人のひと





だった、と言った方がいいのだろうか





だって、彼には奥さんと可愛らしい子供がいる




笑顔で‥ラブラブで‥




まるで、私と一緒に居た時の記憶が無かったよう





本当だったら、ショックだけど




そんなこと無いよね?





「早くしなよ、よいしょ‥」




彼が、奥さまの腰に手を回す‥




‥痛い、心臓が痛い‥




「わっ、恥ずかしい‥//」