「サクちゃんとお話したいんだよ?」


...とか何とか言って後ろから私に抱きついてきた。
え?なにこれ?どっきり?

というかこの男、いま


サクちゃん


って言わなかった?
そうこれはきっとアレだ。
あのクラスに一人ぐらいいる、ちゃんずけされてる男子、
アレだアレ

と自分を納得させようとしている私を知ってか知らずか
二階堂先生は


「君が女の子なのは知ってるよ。
担任だからね。抱きつくと案外わかるし」



と、小声で追い打ちをかけてきた

誰だよ、ちゃんずけ系男子だよとか言ったやつ

私だよ。


ま、まぁ確かにこれから生活してくのに担任には
どの道知っておいてもらわないと困るのは事実だけど、


抱きつく必要性ないと思う。


『あの、そして先生の綺麗なお顔が近いです。
離れてください』


仮にも先生なので当たり障りのない言葉で言ったが
離れる気配がない。

周りの視線もそろそろ本格的に痛くなってきた。

耐えかねて、いい加減はなせと言おうとした瞬間


うでを強い力でグイっと引っ張られ
そのひょうしに二階堂先生は腕を離した。


ついに見かねた誰が助けてくれたのか!

なんて、考えたけど
考える限りこのクラスでこんなことするのは、というか知り合いが一人しかいない。