「あー...やっぱり、一つだけ聞いてもいい?」


聞かないと行った手前少し決まりが悪そうに和馬が聞いてきた。

ま、言われなくてもなにが聞きたいのかはわかっているけど。


『私のこの格好でしょ?』


「うん、ずいぶん男らしくなった、ね?」


そう言われて自分の格好を改めて見てみる。
星歌学園の男子用制服である、
白のブレザーにチェックのズボン
学年カラーだという青色のネクタイに、
普通科の一年生を示す星型のピンバッチを身につけた髪の短い身長172センチの人

どこからどうみても、高確率で男にみえる、と思う。


『お褒めの言葉どーも...
ん?、そういえば、なんで私ってわかったの?
まさか、分かりやすい?』


「いや、分かりやすくは決してないよ!
ぱっとみ男にしか見えないし。

伊達に長く桜と一緒にいないから、俺にはわかったけど、
知らない奴だったら...まさか女だなんて気がつかないと思う」


自信満々、といった顔で和馬はそう言い切った。
そ、それはそれで、なんかちょっと複雑な気持ちにならなくもないけど。


「あっ!...そういえばさっき声かけた時に言おうと思ったんだけど


入学式まで時間ないよ?」



そういわれて慌てて時計を見ると針は
10:50分を指していた。


入学式は11時からだから・・・



『それを早く言え!!!』



「えっと...ここから会場までだから...

うん、走るよ!!」


『うん!』


和馬は
そう言うと私の手首をつかんで
桜が降りしきる道を走り出した




まぁ、その、結局、間に合わなくて
怒られたのはお約束。