恥ずかしくなって俯くと、頭上から水沢くんの声が聞こえた。



「ん。行こ」



これまたあっさりと返ってきた返事に、


「え?」


私は顔を上げた。



「今の、恥ずかしそうに言ったとこ可愛かった。
デート行こ」


「その気になってくれたの?」


「うん。まぁ、みんなでクリスマスはさ……」


「……?」


「みんなの前で俺が我慢できなくて桐谷さん襲っちゃうかもしれないからさ」



にっこりと微笑まれ、反応がしずらい。



「冗談冗談」


彼は、ははっと笑う。




「でも、そのくらい好きってことだよ」



そう言うと、水沢くんは急に真剣な面持ちになって、私を見据えた。