水沢くんはそう言うと、自分の鞄を肩に掛けた。 「水沢くん」 「何?」 「クリスマスのことなんだけど……」 「あー…」 「来てよ…」 数秒間、私達はじっと見つめ合った。 だけど、恥ずかしくなってきて私から目線を逸らしてしまった。 「桐谷さんはさ……」 立っている水沢くんは、再び鞄を机の上に置いて椅子に座った。 「何でそんなにクリスマスに俺を誘いたいの?」 私の顔を覗き込むようにして、彼は訊いてくる。