「あ」


くぅちゃんが小さく声を漏らすと、


「あぁ、おす」


屋上にやってきた高橋くんが軽く手を挙げた。


くぅちゃんの瞳が乙女のものに変わっていく。


高橋くんはくぅちゃんの好きな人だ。



「じゃ、私は行くね。ファイト」



くぅちゃんにそう耳打ちしてから私はお弁当を片づけて屋上を出た。


あんなことを昼間から平気で言っちゃうくぅちゃんも恋する乙女なのだ。



屋上を出てパックジュースを飲みながら階段を下りていく。



「あ」



階段を下りるとそこには私の好きな人。