「前の家政婦も使い物に
ならなかったからすぐ
クビにしたんだよな」
心なしかクビと言う単語が
強く強調されて聞こえる
「でもあんたは気に入った」
「別に気に入って貰わなくて
結構なんですけど…」
「あ?何か言ったか?」
「いえ!全くでございます!」
「お前は誰だよ…」
今度は冷たい視線を頂戴する
「やっぱ…辞めようかな…」
「今さら止めさせねーよ」
ですよねー…
「気に入った証といっちゃ
なんだが褒美をやるよ」
真樹が不適に笑う
「褒美はいいので
お金をください。」
私なりの精一杯の反抗だ
「調子にのってんじゃねー」
真樹の腕が大きく振り上がる