「紗美さん元気ないね」


「そんなことないよ」


わたしは首を振った。


「じゃあ何で怒ってるの?」


「怒ってない」


「じゃあ何で悲しんでるの?」


「悲しんでない」


唯は何故かわたしのことによく気がつく。


人の気持ちが分かる子なんだと思う。


だからあなたには何でも話せた。


今は遠く離れたフランスにいる唯。


あなたはどこにいても沢山の友達に囲まれているんだろう。


わたしはそれなりにやってるけど、あなた程の人はいないよ。


唯、あなたを思わない日は無いよ。


それでも生きていかなきゃ。


唯、あなたは今幸せ?