「はい。コーヒー。」
カナメさんは、僕にコーヒーを出してくれた。

「ありがとうございます。」

「いえいえ。この前私、亜里沙のお墓参り行ったの。」

「カナメさん、亜里沙の知り合いだったんですか?」

「そうだよ。上田旬。って聞いたことあるなぁ。って思ってたら亜里沙の兄貴だったんだね～。よく私に話してくれたんだよ。
笑美ちゃんがウチにご飯食べに来たんだよ!旬の彼女なんだよ～って楽しく話してた。」

「そうですか…もう笑美は彼女じゃないんですけどね…」

「あっごめんね。笑美ちゃんって子優しい子なんだってね」

「はい。もう忘れないとイケナイんですけど、忘れられないんすよ。」

「無理に忘れないでいいと思うよ。大切にしな。その子との出逢いを」

「そうですよね。」

カナメさんの言葉にも勇気ずけられた。