「笑美!!もう帰ろ。」

僕は、笑美の手を引っ張った。

「いいの。話しがしたいの…梅さんと…」

笑美は、泣きながら言った。

「梅さん…すみませんでした。」

笑美はもう一度、梅に謝った。

「何が?何で笑美が謝るんだよ?お前何もしてないでしょ?」

梅は、泣きそうな声で言った。

「だって…梅さんの好きな人とっちゃったから。」

「笑美…覚えてる?笑美が中学のときに、あたしが中間に嫌がらせされてる所みて、笑美言ってくれたよね。 「いじめられる奴がダサい?じゃあ言うけど、いじめてる奴の方がダサいんだよ。甘えてるんじゃないよ。文句あんなら、一人づつ言いな。」って…私、悔しかったんだ。笑美の方が年下なのに…私は、中間に文句すら言えなかったのに…笑美は言えた。自分の弱さに気付かされた。自分ひとりじゃ何も出来ない私。
でも笑美は、なんだって出来る。言いたいことちゃんと一人で言えるし、人の男とれるし…はっきり言って、そんな笑美が邪魔だった。
嫌いだった。」

梅は、泣きながら言った。