僕は、病室に戻った。

「旬。お母さんから聞いた?」

笑美が僕に悲しそうに聞いた。

「うん…聞いた。」

「悲しいよね・・・お母さん…急にどこか行っちゃった。」

「うん…」

「もう、お母さん、私に優しく言ってくれないのかな。」

「なにを?」

「涙はきっと明日を迎える勇気。

涙はきっと、強くなれる魔法。

涙を流した数だけ笑いなさい。

って…」

「きっと言ってくれるよ。もしおばさんが二度と言ってくれなくても…

俺が言ってあげるから」

「っありがと」

笑美は泣いていた。笑美の泣き顔をはじめてみた。