- 意味の分からない言葉を聞き返そうとするも、タイミング悪く今まで黙っていた医者が薺に言葉を掛けた。 「薺様。もうすぐお薬の時間ですよ」 「はぁい」 話の途中だろうと関係なく、つまらなそうに返事を返した後、僕達の側にある階段を上る。遠ざかっていく悪の元凶。 追い掛けようにも制止しようにも、意識を失った雛が心配で動く事も出来ない。 「くっ……!」 ギリギリと歯を食い縛るばかり。 それも直ぐに出来なくなる。 「っ!?」 心なしか雛の体が熱い事に気が付いたのだ。