「お、次は中田の手紙だな。直、絶対号泣だな」
先生は、準備を始めるゆかりを指差した。
「ゆかりのお母さんも泣いちゃうだろうなぁ」
私はゆかりのお母さんを見た。
今は笑いながらゆかりパパと話していた。
「ゆかりもお母さん大好きだからなぁ・・・・・・」
私もお母さんが大好き。
ゆかりもお母さんが大好き。
どんな想いを伝えるんだろう。
「新婦ゆかりさんから、お父さんお母さんへのお手紙を書いてきてもらいました」
ゆっくりとマイクの前に立つゆかり。
ゆかりの背中に手を回すたっくん。
思い出す。
先生もこうして私の背中に手を回してくれた。
“がんばれ”って心の声が聞こえたんだ。