「お、そろそろデザートだな」
席に戻るとデザートが運ばれていた。
「抹茶クリームを閉じ込めた豆乳のムース、だって」
先生はにっこり笑って、デザートを一口食べた。
「おいひぃ~。早く直も食べろよ」
美味しそうに食べる人だなって感じたことを思い出す。
初めて先生と一緒に食べた時、そう思ったんだ。
幸せそうに食べるな~って。
こんな顔で“美味しい”って言われたら、何でも頑張って作っちゃう。
あの時は、先生に彼女がいると思っていたから、その彼女がすごくうらやましく感じたんだ。
「美味しいね。ふわふわだ~」
「だろぉ?」
デザートを食べながら、先生への想いを再確認していた。
私は先生が好き。
和人が好き。
結婚して、もっともっと好きになった。
先生の大きな愛に包まれている私だけど、これからは私が包んであげたい。