ドアノブに手かけて扉を開けると、真っ暗な空間のど真ん中に黒のワンピースを着た、優子さんの娘さんらしき人がいた。



「こんにちは、日本国第一王女の林道 杏樹様。私は桜ヶ丘 優奈と申します。」



「優奈さん、貴方が持っている王家の宝を渡して下さい。」



「それは無理です。」



「何故ですか…?」



「それは、ある方に頼まれたからとあの三人に復讐するからです…。」



やっぱり…。



知らなかったの。



「その意味はない。」



「どういうことですか?」



「旦那さん、話して下さい。」



「はい…。
優奈を捨てたのは、長に命令されたからだ…。いらないからと捨てた訳じゃないんだ。優奈のことを愛しているよ。」