初めて会った時から思っていた。 この子何か違うって。 …好きになりそうって。 予感がしていた。 だから、つまり、結局。 あのとき自分の気持ちから逃げた俺は究極のばかだった。 そう、ばかだという事に気づいていた。 もう後戻りできないから、認めないように千尋と夢架とひたすら勉強や部活に明け暮れていたのだ。 時間が戻らないことを知っているから。 ……ばかだ、俺。 自業自得じゃないか。