「あ…雨やんでる!」 野々宮さんは今気づいたみたいだ。 「それじゃあ、また」 「ちょっと待って!!」 ぱしっ。 野々宮さんの腕を掴んだ。 ―――――ふわりと、石鹸の香りがした。 …あれ。 俺、何呼び止めてんの。 「ん?」 野々宮さんが首を傾げる。 ――…どきん… 何故か鼓動が早まる。 「…送ってくから」 ぱっと腕を掴んでいた手を離す。 …顔が熱い。