たん、たん。
少しずつ、俺のいる教室に向かって近づいてくる足音。
…なんでだろう。
たとえば。
サンタさんからプレゼントが届いた時のような感覚。
開けたいのに。
待ち望んでいたのに。
早く中身が何なのか見たいのに。
なんだかもったいぶって、
なんだか根拠のない恐怖みたいなものがあって。
…なかなか開けられない。
そんな感じ、
今そんな感じがして。
とっさに机に突っ伏した。
でも俺はちがう。
もったいぶってたんじゃない。
きっと怖かった。
自分が思ってる世界とちがったら。
希衣じゃなかったら。
もう裏切られたくないっていう、条件反射みたいなものかもしれないけど。