「時間を戻してあげる」



…たしかに、その人が口を開いてこう言った。



「え…なんで…」


「戻したいんだろう?なら戻してやる」


開いた口が塞がらないとはこのことか。


世界には時間を戻したい人なんて五万といるだろう?

俺もその中の一人で。

しかも今までだって時間を戻したいと思ったことはいくらでもあったのに。


どうして今、あたなは

俺の前に現れたのですか?


いろんな疑問が募る。


でも、そんなことはどうでもいいくらいだった。


これは奇跡。

いや、夢を見ているだけなのかもしれない。


だけど俺は必死だった。