「メールありがと」 夢架は、えっと小さく声を出した。 「すごい嬉しかった」 俺は歩き続けた。 夢架のほうは見なかった。 「律、あのさ」 お願いがあるんだけど。 これで本当の本当に最後のお願いにするから。 だから聞いてください。 …うん。何? あのね。 それ、あたしにください。 学ランの上から二番目のボタンを指差した。