しばらくすると

赤ちゃんの泣き声がした。


「産まれましたよ!

 元気な女の子!」


看護婦さんが呼んでくれた。


つかれきったカナエの横には

小さな小さな赤ちゃんが寝ていた。


「お父さん!

 手を洗って!

 抱かせてあげるから!」


看護婦さんに言われるがまま

手を洗って抱かせてもらった。


タオルに包まれた赤ちゃんは

とても軽く

何ともいえない

感触だった。


カナエはその光景を

笑いながら見ていた。


凉はカナエに


「お疲れ様!」


それを聞いたカナエは

涙を流した。


「凉・・・ありがとう・・。」