「なんだよ、またお前か!」


「なんだよじゃないよ!

 外で言い合ってる声

 うちまで聞こえるんですけど。

 それにしても

 あんたもしつこいね。

 理子ちゃん見てて

 可愛そうだよ。

 束縛しまくりでさ。

 もう少し自由にさせてあげれば?

 恋愛くらいは!」


「うるさい!

 お前には関係ない話だ!

 って言うか

 お前も早く結婚しろよ!

 もう、33だろ!

 うちの事に突っ込んでる

 暇があったら

 早く相手見つけろよ!」


「ホント、うるさいね!

 だから理子ちゃんに

 ウザイバカ兄貴って言われるのよ!

 可愛そうに、こんな兄貴だなんて!」



隣に住んでるカナエは

いつもおかずを持って

やってくる。


二人は理子と同じように

よくケンカはするが

でも、よき相談相手でもあった。