理子は大学へ向かう途中

電車の中で痴漢にあった。


声を出そうとしたとき

長身の男の人に助けられた。


駅で降りた理子は

その彼にお礼を言った。


「助けていただいて

 ありがとうございました。」

「いや、いいよ。

 平気?」

「はい、もう大丈夫です。

 本当にありがとうございました。」

「じゃあ、今度は気をつけて。」


そう言って、行ってしまった。


理子は大学で友達の花梨に

そのことを話すと


「なんで、名前くらい聞かないの!

 もう二度と会えないかもよ!

 そういうのから

 出会いがあるんだから!」


理子は、確かになんで名前を

聞かなかったんだろうと

少し後悔していた。