「ただいまぁ~」

「あら、おかえり和紗」

キッチンからはお母さんの声と、
私の好きなチャーハンのにおい。

「やった!チャーハンだ♪」

「そうよ~、お母さん、和紗の好きなものちゃーんとわかってるんだから♪
着替えてちょっと手伝ってちょうだいね」

「はぁい」

二階の自分の部屋に上がり、
制服を脱ぐと、鏡に写った自分が目に入った。

左肩の包帯が、痛々しいほど何重にも
巻かれている。

無意識にシャドーピッチングをしようとしていたのに気付いて、
慌てて着替えを済ませた。