「美那、中田ってどんな人なの?」

部誌を書いている美那に尋いた。
部誌から顔をあげた美那の表情は、
不満そのものだった。

「中田ぁ~?
あ~。中田ねぇ~。
人気者で、そこそこモテて?
男テニの部長で?
まあまあ勉強もでき?
先生にもお気に入りで?
まあなんでもできる子なんすよね~」

と、くだを巻くように言った。
もしかして、美那…

「中田のこと、嫌い?」

「うん、大キライ♪」

おお…なんか語尾に♪が…?
それにしても、

「なんで?」

私には中田を嫌う理由がわからない。

「だっていつも、
めんどいめんどい~
って言ってんのに、それなのに!
なんでもできるってどゆことよ!
だいたいねぇ、………

美那のグチは、その後も延々と続いた。
そっか…だから中田のことになると
不機嫌だったのか。

でも人から聞いただけじゃ
本当の中田はわからないよね。
美那の場合、グチだし。笑
もっと中田のことをよく知ろうとしないと…
返事もよく考えないといけないしね。