「中田~!」
「中田じゃん!」
「一樹、やっと来た~」

私が驚いたのは、“中田”が現れた途端
みんなの意識が一斉に集中したことだ。
中田は集まってできた人垣でもう見えなくなっている。



すごー…
あれがモテるってやつですかねー…

呆気にとられていると、美那がブラウスの袖をひっぱった。

「ん?」

「あれ。あれが、この席の、御本人。」


な、なんか美那が面倒くさそう?!
ていうか不機嫌?!なんで??