…ほんとに立ってるし。(寒そうに上着も着ないで)
「お、よかった。開けてくんねーのかと思った(笑)」
「~~~~ッ…はぁ、そんな見た目じゃ怒るに怒れないじゃん」
入院患者専用のバスローブみたいなのをきて、寝ぐせつきで、それに怪我だらけ。
「あ、どうも」
猛が頭を下げ視線をやった先にはお母さん。
「あら、楠君、すごい怪我!今日も泊まっていく?」
玄関先からひょっこり嬉しそうに猛を見る。
「いえ、すぐ病院に戻ります。ありがとうございます」
「そうなの、ゆっくりしてってね」
それだけ言うとスロスロとリビングに戻って行った。
「――――愛梨?」
「………。」
「なぁ、愛梨?無視かよ」
「怒ってるんだよ」
「あー…悪かったって!」
あたしの部屋でお説教タイムが始まる。
縮こまって話を聞くかなとおもったら…いつもと変わらず、近いし。
「心配する人いるでしょ?」
「んー…心配されたくねーし」
「あのね!」
「お前に謝りたい、抱きしめたい、キスしたい…」
「っ!」