震える手がそれを物語ってるようで、あたしはおそるおそるボタンを押した。
「も、もしも…『部屋にいるな?』
「え、うん?」
な、何だろ?ちょっと息荒くない?
病院にいるのに?
…嫌な予感しかしない。
「アンタまさかっ…」
『玄関の前。俺すっげ寒いんだけど』
げっ!
それ、本当にヤバくない?!
「怪我してんだよ?!病院抜け出してきたわけ?」
『…説教なら後で聞くから…家入れて…』
し、信じらんない!!!
あのバカっ!どうなるか分かってんじゃん!
手術後だからあんまり動いちゃだめだって先生言ってたのに…
――――あたしのせい…か。
「こうなるくらいなら病院で話聞いとけばよかった…」
大きくため息をついて、お母さんとお父さんに事情を話した。
猛が怪我をしてることを知らない2人は、目を丸くして心配。
「ありえないでしょ…」
ガチャ…