「贅沢モノだねー!!ありえないじゃん!選択肢なんて一つしかないし!」
バシバシとあの時のあたしを批判するのは、雛森 結衣。
あたしの中学時代からの親友。
姉御肌なんだけど、欲張りがたまにキズ。学年で1,2を争うモテ女。
あたしの周りはそんなんばっかだね。
「けど、好きじゃないんだよ?付き合えないじゃん」
「好きじゃなくても、あの楠だよ?付き合えるでしょ」
「無理無理!しかも…――――」
されちゃったし…。
思い出しただけで顔が熱いよ。
「あ、楠」
「ひぃぃぃっ?!!」
あたしの異常な反応に教室は静まり返る。
最悪…。