「俺のもんに触んな」




そうやって期待させるような、言葉を吐き捨てて




あたしに悲しい表情でほほ笑んだ。





猛…?






「兄貴には絶対ぇわたさねーよ」





「お前、本当に昔から頭が悪いなぁ…」





火花の飛び散りそうな睨みあいの中、あたしの涙は止まることがなかった。





「愛梨ちゃん、いいこと教えてあげようか」





「い、いらないっ」





そういうと晃はあたしをベッドから引きずりおろして





最後にあたしを抱きしめた。






痛いっ…猛とは違う、昔付き合ってた頃と同じ、痛いハグ。





いや、これはワザとで。






あたしを苦しませたいだけだ。ひるむな、あたし。




「猛にはね…」





「聞かないっ!は、離してっ」





あたしの抵抗にも動じない大きな体は、あたしを縛り上げる。





「痛ッ…!」





ギチギチと抱きしめられる。息がっ…!





「兄貴ッ!!!」





猛の制裁の声も晃の耳には届いていないの?





猛がベッドから足を出した時だった。





あたしの体に衝撃的な事実が走った。