本当にそれは違うよ…
苗字が一緒でもしかしたらなんて何度か考えたけど…
「愛梨ちゃん…次はコイツで遊ぶの?」
クスクスと嘲笑しながらあたしを睨む。
やめて…やめてよ…
あたしと猛の間で何かが崩れる音がする。
「やっぱり勿体なかったなぁ、愛梨ちゃんを手放したなんて」
「あたしは!晃の玩具じゃない!!」
猛の曇る瞳と表情が、晃の棘のある言葉一つ一つが
あたしの涙腺を壊していく。
「玩具…だろ?」
あたしの髪を掴んで、あたしを怖がらせる。
それが大好きなんでしょ。
猛とは違った あたしの壊し方。
いわゆる…DV。
チカチカとあたしの目の前で晃の裏の顔が出入りする。
「痛いっ…っ」
「兄貴ッ!!」
あ…助けてくれた…?
あたしと晃の間に制裁が入る。